シティダッシュボードとは?
シティダッシュボードとは、まちの様々なデータを基に作成した図表を1ページみまとめ、一目でチェックできるようにしたものです。ダッシュボードを作成することで、行政としては、まちの状況をスピーディーに把握することができる、KPIを簡単に追うことができる等のメリットがあります。
渋谷区 CITY DASHBOARDの紹介
本記事では、国内外のシティダッシュボード事例紹介の第1弾として、渋谷区の「CITY DASHBOARD」を、以下の視点からご紹介します。
- ダッシュボードのテーマ、KPI
- データの特性(データの種類や更新頻度・リアルタイム性)
- UI(ダッシュボードの使いやすさ、わかりやすさ)
ダッシュボードのテーマ
渋⾕区基本構想に掲げるビジョンに基づき、「福祉」「まちづくり」「交通」「防災・安全・安心」「環境・エネルギー」「産業」の6分野で官民のデータを収集し、グラフや地図等で可視化、ダッシュボードに集約して公開しています。
上記分野のデータを区にかかわる多様な人々が共に活⽤し、課題解決や施策立案につなげていく環境を整えることがダッシュボードのテーマのようです。
KPIは特に設定されていないようですが、テーマに基づくと「公開されているダッシュボード数」や「ダッシュボードを活用した施策提案数」等の指標があり得るかもしれません。
データの特性
渋谷区のダッシュボードは種類が豊富であることが特徴で、2023年1月現在、17ものダッシュボードが公開されています。データ面からの特徴を以下に示します。
- ダッシュボードの基になっているデータは区保有のデータだけでなく民間のデータや実証実験によって得られたデータも使用しています。豊富なデータソースからダッシュボードが作られている、国内ではなかなか見ない事例です。
- データの更新頻度は、頻度が高いものでも1月に1回程度のようです(渋谷区オープンデータの更新頻度に準拠)。そのため、”今”の街の状態を知りたい場合はデータの時点に留意が必要です。
UIの特性
渋谷シティダッシュボードは主にPowerBIで作成されています。UI面からの特徴を以下に示します。
- マップベースで作られていることが多く、地域の特性が視覚的にわかりやすく表現されている
- 着目したい年次や地区等、様々なフィルターが用意されているため、利用者の興味に合わせてデータを絞り込み表示できる
- ただし、データの種類や表現が多様であること、データ別にダッシュボードが独立しているため、分析に慣れている人でないとデータの解釈や分野横断での課題発見に至るには難易度が高いかもしれません
まとめ
本事例の特徴を表形式でまとめました。
視点 | まとめ(渋谷区 CITY DASHBOARD) | |
全体 | テーマ | ・多様な人々がデータを共に活⽤し、 課題解決や施策立案につなげる環境整備 |
KPI | ・なし | |
データ | 種類 | ・豊富(6分野17種類のダッシュボード) |
更新頻度・リアルタイム性 | ・多くて月1回程度/随時更新 | |
UI | 操作性 | ・様々なフィルターが用意されており、 分析者の見たい切り口でデータをみることが可能 |
解釈性 | ・データ量が多いことやKPI設定がないため、分析者の技量にゆだねられる (比較的玄人向け) |
今回は国内のシティダッシュボードの事例として渋谷区の「CITY DASHBOARD」をご紹介しました。今後も、海外の事例も含め様々なシティダッシュボードをご紹介できればと思います。
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